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「なぜ事業化していないのか」——DevOps × AI Agent Hackathon 2026で最優秀賞を受賞しました


2026年8月19日、Google渋谷オフィス(渋谷ストリーム)で行われた「DevOps × AI Agent Hackathon 2026」の決勝ピッチにて、私たちのチームが開発した「Yasai Relay」が最優秀賞をいただきました。


本ハッカソンはファインディ株式会社主催、グーグル・クラウド・ジャパン協賛で、Gemini Enterprise Agent Platform や Gemini を必須技術とし、AIエージェントの企画から開発・デプロイ・運用までを一貫して体験するというもの。参加人数は700人以上、そこから選ばれたファイナリスト10組が渋谷ストリームの舞台で最終プレゼンテーションを行いました。


今回はその受賞報告と、開発の裏側、そしてここまでの道のりについて書き残しておこうと思います。



Yasai Relay(野菜リレー)とは


Yasai Relayは、規格外野菜を無駄にせず地域で循環させる無人販売所エージェントです。クラウド上のAIエージェントが、あらかじめ設定したガードレールの中で値付け・値下げ・営業判断を自律的に行い、その結果をSLO(Service Level Objective)として自己監視しながら日々改善していく仕組みになっています。


このアイデアは、共同開発者である宮下蒼一朗さんの原体験から生まれました。宮下さんの祖父は農家で、小さい頃から売り物にならなかった規格外野菜を食べて育ったそうです。味は決して劣っていないのに、なぜ売れないのか——その疑問を分解していくと、規格外野菜は「不定期・少量」であることが多く、それを売るための手間(値付け、陳列、管理)が割に合わないという構造的な課題に行き着きました。この課題をAIエージェントに任せることで解決しよう、というのがプロダクトの出発点です。


チームでの役割は、私がシステム実装、宮下さんが企画とフロントエンドを主に担当しましたが、実際は互いの領域を横断しながら手を動かしていました。




開発で一番苦労したこと


開発中、最も苦労したのはAIエージェントの回答・判断の質をどう担保するかという点でした。値付けや値下げの判断を自律的に任せる以上、その判断が的外れでは意味がありません。


そこで行き着いたのが、エージェントの判断品質そのものをSLOとして管理し、継続的に運用するという方向性です。具体的には、売れ行きの予測精度75%、廃棄率35%以下という数値目標をSLOとして設定し、エージェントにこれを満たすよう判断させました。もしこの指標を下回る「悪い判断」を検知した場合は、エージェント自身がプロンプトを調整し、その変更を管理者(人間)が承認するフローにしています。自律性を持たせつつ、暴走はさせない設計です。


このアプローチは、まさに「DevOps × AI Agent」というハッカソンのテーマの核心を突く部分だったと思います。


決勝直前、カラオケでの追い込み


宮下さんとは住んでいる地域が離れていて、私は九州、宮下さんは北陸です。開発中のやり取りは基本的にオンラインで進めていました。


そんな私たちが唯一、物理的に集まったのが決勝の当日でした。カラオケの個室を借りて、2人でひたすらプレゼン練習を重ねました。ふだんは画面越しでしか顔を合わせない相手と、本番直前だけ同じ部屋に集まって練習する——というのは今振り返ると少し不思議な構図ですが、この追い込みがあったからこそ、審査員に褒めていただいたプレゼンの完成度につながったのだと思います。


決勝当日


決勝ピッチは緊張感のある空気でしたが、運営の段取りが非常にスムーズで、プレゼンに集中できたのが印象的でした。


他のファイナリスト作品を見ていて感じたのは、傾向として保育・子育てや教育関連のプロダクトが多かったこと(保育園の業務改善系だけでファイナリストに2組)、そして障害対応やコード品質改善など、王道の「AIが自律的にエラーを修正する」DevOps的なプロダクトが目立っていたことです。


そんな中、審査員の講評でいただいた「なぜ事業化していないのか疑問だ」という言葉は、率直にとても嬉しいものでした。振り返ると評価いただけたポイントは、大きく4つあったと感じています。


  • プロダクトとしての完成度の高さ

  • 他の多くの作品がDevOpsそのものにフォーカスしていた中、私たちはユーザー目線での実装を意識していたこと

  • エージェントの判断品質をSLOとして管理する仕組み

  • プレゼンテーション自体の完成度



最優秀賞は正直、狙って獲りにいったものでした。だからこそ、自分たちの自信が結果として評価されたことが何より嬉しかったです。


これまでの挑戦、そしてこれから


振り返ると、昨年11月から国内ハッカソンに3回参加させていただき、ありがたいことに3回とも賞をいただくことができました。


  • Apple Foundation Models Framework Hackathon — 最優秀賞

  • Bookathon(本を書くハッカソンイベント) — 技術書典賞

  • DevOps × AI Agent Hackathon 2026 — 最優秀賞


とはいえ、これは決して自分の実力だけによるものではなく、毎回一緒に挑んでくれたチームメンバーや、運営・審査員の皆様に恵まれてきた結果だと感じています。まだまだ学ぶことばかりですが、自分が作りたいと思ったものや興味のある技術に出会ったときに、機会があれば挑戦させてもらう、というスタンスを大事にしています。


今後は、今回のハッカソンで生まれたアイデアを実際に事業化していくこと、そしてEducationLabの生徒たちがハッカソンに出場する際のサポート・促進にも力を入れていきたいと考えています。今回いただいた「なぜ事業化していないのか」という言葉を、次の一歩を踏み出すきっかけにしていきたいです。


改めて、DevOps × AI Agent Hackathon 2026の運営の皆様、審査員の皆様、そして共に走ってくれた宮下さんに感謝します。ありがとうございました。


株式会社CODREA 仲嶺


 
 
 

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